
長い間 あちこちに溜めてしまった書類は、目についたところだけ整理したところで、いっこうに片付きません。それどころか、翌日からまた増えてしまうため、せっかくの努力も元の木阿弥。
ここでは、そんな対症療法のような書類整理ではなく、根本から暮らしを改善するための方法をご紹介します。
この方法は、「時短で、ラクに、かんたんに」できる方法ではありません。
ですが、本気で 書類を整理したい、書類を探す人生から抜け出したいという人は、ぜひ実践してみてください。
書類の量にもよりますが、完成までには数日間のまとまった時間が必要です。
連休をマルっと費やすもよし、平日4〜5回に分けてやるもよし、1ヶ月ほどかけてじっくりやるもよし。作業中は大変ですが、いったん最適な仕組みを作ることがでれば、効果は一生モノです。
Step❶「書類ステーション」の場所を決める
個人が管理するプライベートな書類は除き、保険、医療、資産、税金、住まい、取説など、家族みんなで共有すべき“家庭の書類“は1カ所にまとめることをお勧めします。
リビングやダイニングなど、ふだん書類作業をする場所の近くに「書類ステーション」を作りましょう。そして、ここ以外に家庭の書類は置かない、というルールを作るのです。
「わが家の書類は、ここを探せば必ず見つかる。」この安心感は絶大です。あちこちを探したり、点々と収納しに向かわなくて済むので、日々の時短にもなります。
▼深掘り記事「書類の置き場所は数箇所に分けてもいいですか?」(執筆中)
「書類ステーション」には、以下の3つが必要です。この3つをできるだけ近くに配置しましょう。
・書類にすぐ対応する道具(ハサミ、印鑑、ペン)
・書類をすぐしまう場所(ファイリング用品とその置き場)
・書類をすぐ捨てる場所(シュレッダー、紙ごみ置き場)
これから行う書類整理には数日〜数週間かかります。その間にも新しい書類はどんどん家に入ってきます。ですから、まず先に仮組みでもいいから仕組みを作っておくと良いです。新しく来る書類は溜めずに「すぐやる・すぐしまう・すぐ捨てる」を習慣化できるようにしておきましょう。
特に大切なのは、すぐ捨てられる場所「紙ごみ置き場」です。
書類は、増やさない・溜めないことが肝心。不要な書類はすぐに捨てられるよう、しまう仕組みより捨てやすい仕組みを何よりも先に構築してください。
▼ぜひ全家庭に作ってほしい!
最初の時点での「しまう場所」は、一時的な仕組みでもOKです。ファイルスタンドやファイルボックスをいくつか用意しておき、溜まった書類の作業後に合流できるようにしておきましょう。

Step❷ 対象の書類を集める
準備するもの:広いスペース、書類をまとめる紙袋やボックス等
かかる時間:30分〜1時間
では、実践スタートです!
まず、床に広いスペース(2畳分程度)を確保し、家中から書類を1カ所に集めます。
自分が考えているよりも、多くの場所に書類は散らばっています。本棚のすきま、キッチン、リビング収納、机の引き出し、押し入れ…。家中をくまなく一周し、回収していきましょう。
家族がプライベートで管理している書類は除外してもOKです。(例:子どもの学習プリント、ご主人の仕事の書類等)
集めてみると、以外とたくさんの量があることに驚かれるかもしれません。でも大丈夫!総量が分かれば、大きなかたまりを分解して、1つずつやっつければ良いのです。ゴールへの道すじがハッキリしてきますよ!
Step❸ 4〜8個の大分類に分ける
準備するもの:付箋、マジック、クリアフォルダー、紙袋かファイルボックス
かかる時間:1〜3時間
1カ所に集まったら、書類を大まかに4〜8個程度の大分類に分けていきます。
付箋に分類名を書き、グループごとに山を作るように仕分けていきましょう。分類は自由です。ただし、「重要書類」や「よく使う書類」など、定義が人によって変わってしまう項目名はNGです。
一般的には、「医療」「お金」「取説」「保険」「地域」「住まい」を作る方が多いです。
ご家庭によっては「子ども・教育」「介護・相続」や、プライベートな書類も一緒に整理する方は「仕事・趣味」「思い出」などを作ったりします。

この段階では、かたまりを「分ける」のが目的。一枚一枚丁寧に「要る・要らない」の判断はしません。一目で不要だとわかるものは捨ててOKですが、時間をかけすぎないでください。1件につき3秒ぐらいで、スピーディーに分けていきましょう。
既存のファイルに入っているものは、中から出します。細かくてバラバラになるものや、同案件としてまとめておきたいものは、クリアフォルダーに入れておきましょう。
山がいくつかできたら、紙袋やファイルボックスに大分類ごとにまとめておきます。
次のStep❹からはこの大分類のかたまりを1つずつやっつけていきます!
Step❹ 不要書類を除き、小〜中分類をまとめる
準備するもの:付箋、マジック、クリアフォルダー、ダブルクリップや輪ゴムなどまとめるもの
かかる時間:1〜2時間 × 大分類の数だけ
作業する大分類を1つ選び、今度は中身をじっくりとチェックしていきます。
一枚一枚を手に取り、要/不要の判断をしてください。
・必要のない封筒、同梱されていたチラシ
・デジタル化できるもの
・すぐに手続きしてしまえば手放せるもの
これらは積極的に手放しましょう。いつかやろうと思っていたものは、収納するのではなく、この機会に終わらせてしまいましょう。(しまい込んだら、またやらなくなる!)
逆に、「取っておきたい」と感じる書類は無理に捨てなくてOKです。「これは自分にとって必要な物なのだ」と自信を持って保管しましょう。
要ると判断したものは、Step❷の時のように付箋を使って、同じ仲間どうしで中分類を作ってまとめます。中分類は、簿冊式の場合は見出しリフィルに、バーチカルファイリングの場合は個別フォルダーの項目名になります。中分類の中をさらに細かく分けたいときは、小分類(クリアフォルダー)で仕分けます。分け終わったら、ファイリング用品購入までダブルクリップや輪ゴムなどでまとめておきます。

バーチカルファイリングの場合
中分類は、厚みが1〜1.5cmになるように調整します。分厚すぎるグループは分冊し、薄すぎるグループは他に近いカテゴリーのものと合冊します。分冊や合冊のときは分類名をわかりやすく工夫します。
Step❺ ファイリング用品を購入する
残った書類の総量に合わせて、必要な数のファイリング用品を購入します。
すべて統一のファイルにできない場合、大分類ごとにファイル形式を変えてもかまいません。
ファイリング用品に正解・不正解はありません。ご自分やご家族の使いやすさ、書類ステーションの形状や寸法に合わせて選びます。以下を考慮すると失敗しにくいでしょう。
・しまう時の重さやアクション数が少ないもの
・項目の増減に対応できるもの
・追加購入しやすいロングセラー品
・破れたり壊れたりしにくい丈夫なもの
見出しの数が固定されているファイルは、暮らしの変化に対応しづらいため注意が必要です。
どんなファイリング用品が良いか迷う方は、オンライン個別相談やオンライン書類整理サポートでご相談をお聞きいたします。
Step❻ ファイルに入れ、ラベルを貼る
購入したファイリング用品に、Step❸で分類した書類を収め、ラベルを貼ったら完成です!
はじめに作った「書類ステーション」の “すぐしまう場所“ に置きましょう。
ラベルは、手書きでもラベルライターでもかまいません。
できるだけ大きくて見やすい文字にしましょう。

色分けもオススメです。
大分類ごとに色を決めておけば、同じ色の場所に戻せば良いので、しまうのがラクになります。

完成後のメンテナンス
おつかれさまでした!
完成後は、大仕事をやり遂げた達成感と、書類に悩まされない快適さを、どうぞ堪能してください。「すぐやる、すぐしまう、すぐ捨てる」が仕組み化され、日々の書類が溜まりづらくなっているはずです。また、すべての書類のありかを家族と共有できる安心感も得られることでしょう。
アフターメンテナンスでやるべきことは、以下の通りです。
【数ヶ月に1回】紙ごみ置き場があふれてきたら、古い順に廃棄する
【年に1回】ファイリング内に不要な書類がないか見直す
【数年に1回】進学、転居、介護など、暮らしに大きな変化があった時だけ、分類項目を見直す
いずれも、大分類ごとに対処すれば、短時間ですむと思います。
注意すべきことは、書類があふれてきたときに、すぐに「しまう場所」(ファイリング用品)を増やさないこと。収納を増やすとモノの総量が増えるのは書類も一緒です。収納を増やす前に、手放せるものがないか、中身を確認しましょう。

まとめ
いかがでしたでしたでしょうか?
この作業は、お世辞にも「簡単に、ラクラクと」できるような作業ではないかもしれません。ですが、溜めてしまった書類を確実に整理していく唯一の確実な方法です。
本当に書類のストレスが大きくて、どうにかしたい!という方は、ぜひ実践してみてください。😊
一人でやる自信がない…。
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という方は、当方にて寄り添いサポートをするサービスをご提供しております。ご検討いただければ幸いです。
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皆さんが書類に悩まなくなることを願っています!✨